☆イタリア生活☆


【アンラッキーを転機に変えて イタリア料理の先生に!】




イタリアで購入した食器やカトラリーでおもてなし
 

【夫の転勤でイタリアへ そこで起こった驚きの事件が人生を変えました】

私はもともと食品会社に10年勤めていたこともあり、料理が大好きでした
結婚してからはタイ料理教室に通ったこともあります

イタリアのローマへは 夫の海外転勤に伴って移り住みました
結婚して娘が生まれ、娘が1歳半になるころで ちょうどイタリア料理がブーム
夫の転勤は、本場のイタリアンが食べれるのが楽しみで仕方ありませんでした




20年のイタリア生活で2軒目に住んだ家
イタリアのおうちは床はほとんどが大理石で 広々しています



グリーンが気持ち良いテラスでは よくランチをしていました

当時はイタリア語なんて全く話すことができず
ただ単語を並べるくらいの語学力
でも温かなローマの方々に支えられ
また子育てを介して友人も増え 数年経ってやっと暮らしにも慣れてきた…

そんなときに「事件」が起こりました
外出先から帰ってドアを開けると 部屋がまるで映画のワンシーンのような有り様に
あらゆる引出しは開け放たれ、宝石類はごっそり盗まれていて…
なんと、泥棒に入られてしまったのです

ちょうど主人は日本へ出張中で
娘は小学校にいる時間帯に起こった事件でした

イタリアではそういった泥棒事件がよくあり あとで聞いた話では
近所で何件も起こっていたとか

保険が下りたものの 失った物や思い出の品が戻ってくるわけでもなく
本当にショックでした
あまりに衝撃的で 以来しばらく自宅を空けるのが怖くて外出もしなくなってしまいました
いわゆる引きこもりです(笑)

でも娘の前でいつまでも落ち込んでいるわけにはいかず
何かを始めてみようと思い行動を起こすことに
それが、私がイタリアで料理学校へと通い始めたきっかけなのです

 【イタリア料理はゼロから始めて、料理教室を開くまでに】



料理学校の卒業証書と教科書


現地では、週3日、6カ月のコースを4つ通いました
まず イタリア料理の基礎とプロフェッショナルコース その後続けてドルチェコース
そしてピッツァ・パンコースに

私のような外国人もいれば、シェフを目指す現地の方など
いろんな方がいてとても刺激的でした
実は、私は甘いものが苦手だったのですが
ドルチェ課程の授業で毎回試食するうちに 気づけばドルチェの虜になっていました 
本当においしかったんです



イタリアの料理学校で作ったスイーツたち

そして、料理学校を卒業した後は 駐在員の奥様を中心にお料理教室を開いたり 
イタリア人の友人にお寿司や和食の作り方を教えたりしました

海外では 歓送迎会などのホームパーティーを開く機会も多いので
おもてなし料理やテーブルコーディネートを実践で学ぶよい経験になったと思います



自宅でのホームパーティーの様子
 



イタリア料理にはドルチェが欠かせません
ホームパーティーの時にも何品か作りました 




日本の文化を教えることも
 



一人娘なのでひな祭りは欠かせませんでした


☆私の料理☆


【イタリア料理の最高の先生は「マンマ」】

料理学校ではイタリア料理の基本をしっかりと学べたので
非常に満足はしているのですが
「イタリア料理でもっとも勉強になったことは何?」と聞かれたら
「マンマの味」です

仲良くなったイタリア人の友人や
夫の仕事関係の人から 自宅にお呼ばれされることがたびたびありましたが
そこでのおもてなし料理は 本当に素晴らしく勉強になることばかりでした

夫の友人のナポリ出身のペトリチオーネ家とは
親戚一同が集まる夏の別荘へ毎年ご招待いただき
ナポリの郷土料理 ボンゴレロッソやババというケーキをごちそうしていただきました

イタリアのマンマたちの本場の味を教わって 自宅でトライしてみるのも楽しかったです



アニニエーゼさんのボンゴレは忘れられないお味です
 



イタリアマンマのジョジョが作るナポリの郷土菓子「バッバ 」

またイタリアでは 腕利きシェフたちが自慢のレシピを躊躇なく教えてくれました

もともと食いしん坊ぞろいの我が家 
イタリア滞在中はローマに限らず各地方に出かけ外食を楽しみました

イタリアにはその地方地方でしか食べられない食材や料理がたくさんあります

夫の友人のピエトリーノの レストラン”タベルネッタ・ディ・ピエトロ・レッチェ“は
カラブリアの山の中にあるキノコ料理の専門店
オーナー兼シェフのピエトリーノは料理に関して研究熱心でした

ある日「トマトスパゲッティだよ」と出されたのは麺だけなのかと思うような一皿
でも不思議なことに口に入れるとトマトの味がします
作り方を聞くと「トマトを漉して、その汁でソースを作ったんだ」とピエトリーノ

そんなふうにイタリアのレストランのシェフたちは
企業秘密ということなく けっこうざっくばらんに
自分のレシピを教えてくれることが多かったです
中には「よかったら見においでよ」と厨房へ案内してくれるシェフもいたほどです   




ピエトリーノに教わったリングィーネ・アクア・ポモドーロ
 


               
漉したトマトの汁を応用した透明なトマトゼリーを創作
透明なゼリーにはトマトの旨味がたっぷりです


   【だしを効かせた和食やイタリアンなど、シンプルな料理が好き】

イタリアには20年暮らして 2015年の秋に帰国しました
帰ったばかりの頃は逆カルチャーショック状態

スーパーも 私が日本に暮らしていた当時とは勝手が違うので最初は戸惑いの連続です
和食を作ろうとだしを買いに行ったら種類が多すぎて
どれを買ったらいいかわからないし選べない…となりまして

思い立って、だしの勉強を始めることにしました。
昆布大使を務めさせていただいたり だしソムリエ資格も取得しました

だしを学ぶにつれて、わが家の食卓では和食率がぐんぐん上昇
もともと日本だと イタリアンを作るより和食を作る方が
食材が揃いますよね


イタリアンでも素材を生かして 塩とオリーブオイルで味を調えるだけというような
シンプル調理が多かったのです
いじりすぎない調理法 素材の味を生かす味付けは 
和食とイタリアンでも共通部分があると思います
自分の料理の「モットー」にしたいポイントでもあります



出汁でマリネしたサーモンのカルパッチョ 



だしを効かせたトマトの冷たいスープ

【色もの素材で華やかで彩りよく】

料理に関してはもうひとつ大切にしていることは
彩りとパッと見ておいしそうと感じられる盛り付けです

例えば、家庭料理では和食はブラウン系になりがちですよね
醤油や味噌などの茶色い料理はおいしいのですが
味がぶれない程度に、グリーン系などの素材を加えて華やかに仕上げたいです

例えば、肉じゃがにはグリーンピースをプラス
ちょっとした炒め物は赤と緑などと 対照的な色合いの食材を組み合わせるという具合です

色みをプラスできる野菜としては、赤・黄パプリカやズッキーニなど意外と和食にも合います

パプリカは安いときに買って、焼いて皮をむいてマリネに
ズッキーニは輪切りにして両面を焼いてから冷凍しています
こうすると保存が効くし「彩りが欲しいな」というときにサッと使えて便利です



色味を効かせたメニュー例 夏野菜の和風麻婆
 

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日本に戻ってきてから作り始めた夫弁当も
味はもちろんですが 彩りや盛り付けも工夫しています

  
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イタリアンは当然ですが イタリアにいた頃に比べると作る回数が減りましたが
たまには本格的に腕を振るってみたり


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夫が作るトマトスパゲッティを楽しんだりしています


お料理教室は現在お休み中ですが いつか再会できたらと思っています