シチリアの南東部にある街 モディカ(Modica)です。

街は急流で削り取られた二つの峡谷にまたがって広がっていて

“ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の街々(Citta Barocche del Val di Noto)"の中の一つの街で

世界遺産に登録されています。

このモディカ ラグーサ シクリ カターニャ あたりは 17世紀にエトナの噴火による

大地震でそれまでの町が全壊した後に

当時の支配者スペイン王朝の力でバロック都市に再建されました。

この美しいバロック建築の街並みは 南イタリアのヴェネツィア とも呼ばれる程の気品と風情があります。

そのモディカの街には アステカ王国伝来のチョコレートが ほぼ当時の製法のまま残されています。 

16世紀 新大陸発見の時代 スペイン人が見出した アステカ王国の

“カカオとその加工技術” つまりチョコレート・・・・アステカ王が万能薬と信じて疑わなかった

添加物なしのチョコレートが そのころ スペイン支配下にあったシチリアに 伝わってきました



パッと見 普通のチョコレートです・・・・

この古代アステカ時代の製法というのは

カカオを挽き それに砂糖とスパイスを加え 砂糖が溶けない温度(45℃以上は上げない)

状態で保ち のし棒による手作業ですりつぶし 混ぜ合わせ 型に入れられます。

伝統的なスパイスは シナモンとバニラですが 最近はオレンジや唐辛子といったものもあります。

この熱加工をしないのは カカオに含まれているカカオバターを生かすためであり

カカオのアロマをうまく生かすためでもあります。

カカオバターがそのままなのでバターや 油 牛乳 レシチン等の添加物を一切加えていません。

砂糖が溶けていないので 食べてみるとシャリシャリとした独特な歯触りがあります。

舌触りの滑らかな口どけの良いチョコレートに慣れている私たちにとって

このお味は衝撃的です

でもこれが純粋なチョコレートでありチョコレートの原点のお味です。

チョコレート本来のほろ苦さ カカオの香りを楽しめます。

食べ終わっても長い間 口の中によい香りが残るのです。

この製法のチョコレートは スペインのカタロニア地方 メキシコ ここシチリアのモディカのみで

生き続けています。

華やかさも 飾り気もない この素朴なチョコレート・・・

シチリアへ行かれることがありましたらお試しください


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